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今さらですが。

夏目漱石の『こころ』を読んで、ちょっとぐわんぐわんきてます。

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このあいだ、テレビをつけたらたまたま『100分de名著』で「こころ」を取り上げていて、

そういえば、内容は知っているけれど、

部分的に「読まされた」ことはあっても、全編通して読んだ記憶がなかったので、

なので、この年になってですが、読んでみようと思ったのです。

で、読んでみて、当たり前だけどあまりにもスゴイ作品で。

ちょっとぐわんぐわんきちゃったわけです。

たくさんの人が、読書感想文を書いた覚えがあるでしょうし、

漱石研究もいっぱいされているわけやから、私が感想を述べるまでも無いのですが(汗

なによりも、今読んでも全く古い感じがしないのです。(すごく読み易い。

明治の時代の小説でありながら、いまだにずっと読み継がれているわけですから、

そんなことは(私が言わなくても)承知のことやとは思うのですが(汗

なんというか…。(上手く言えないんだけど

結局、こころを救えるのって、文学か、音楽か、、、ま、宗教は別として。

そこしかないんだろうなぁ…ということをあたらめて感じるのでした。


読み始めると、、、最初からあちこちに伏線があって。

これはどういうことなの?なんで?と、早く先が知りたくてたまらなくなるのです。

先生の過去には一体なにがあったのか?それが知りたくて、読むのを止められないのです。

なぜ、先生は自殺しなくてはならなかったのか?

なぜ、私に全てを語ろうと思ったのか?


「悪い人間という一種の人間が世の中にあると君は思っているんですか。
そんな鋳型に入れたような悪人は世の中にある筈がありませんよ。
平生はみんな善人なんです、少なくともみんな普通の人間なんです。
それが、いざという間際に、急に悪人に変わるんだから、恐ろしいのです。
だから油断ができないのです。」


叔父さんに欺かれ、先生は人を信じられなくなる。

そして、自分だけは悪人にならない(なりたくない)と思っていた。

でも、ある時、自分も結局は同じ罪深い人間だと知ったとき。

高度な自己否定に陥ってしまう。


「叔父に欺かれた当時の私は、
他の頼みにならない事をつくづくと感じたには相違ありませんが、
他を悪く取るだけあって、自分はまだ確かな気がしていました。
世間はどうあろうともこの己は立派な人間だという信念が
どこかにあったのです。
それが K のために美事に破壊されてしまって、
自分もあの叔父と同じ人間だと意識した時、私は急にふらふらしました。
他に愛想を尽かした私は、
自分にも愛想を尽かして動けなくなったのです。」


人って、絶対に「善」だけでなないんですよね。

負の部分とか、弱さとか、ずるさとか、そういった部分を引き受けて生きていかなきゃならない。

善と悪なんて、簡単にひっくり返る。

そういうことをしっかりと見つめなくちゃいけない。

自分の中にひそむ闇の部分を…。

(今さらだけど。この作品がどれほどたくさんの人に影響を与えていることを知った感じ。)


先生は、私に問う。

「あなたは本当に真面目なんですか」
「私は過去の因果で、人を疑り続けている。だから実はあなたも疑っている。
 然しどうもあなただけは疑りたくない。
 あなたを疑るには余りに単純過ぎる様だ。
 私は死ぬ前にたった一人で好いから、他を信用して死にたいと思っている。
 あなたはそのたった一人になれますか。
 なってくれますか。
 あなたは心の底から真面目ですか。」


そして、人は決して一人では生きていけないということ。

弱い部分をさらけだし、誰かに受け止めてもらうことでラクになれるんだよな、と。

そんなことを読みながら感じました。



あとちょっと俗っぽい感想として、先生の妻(御嬢さん)のことが気になった。

母と娘二人暮らしのところへ、下宿した先生と(後からきた)K。

年頃の御嬢さんにとって、この二人のことを異性として意識しなかったはずがない。

時々、こそこそとKと話していた様子が描かれているし。

いくらなんでも、二人が御嬢さんに思いを抱いていることくらい気がつくんちゃうか?と!

しかも、先生が変わったのは、Kが変死してからだと妻(御嬢さん)が語っているわけだから、

御嬢さんが何かを感じなかったはずはない、と思う。


漱石先生は、女性は、とても純粋で穢してはいけないものとして描かれている。

でもそれは、男の人にとって、そうであってほしい…という永遠の理想なのかも?ですね。

だって、現実はそんなことはないやろーって思う(笑)

女の方が、したたかだったり罪作りだったりするでしょ?

 けんかをやめて~♪ふたりを止めて~♪ と、竹内まりやも歌っているしw(笑)


この小説の最後はこう結ばれている。

「私は私の過去を善悪とともに他の参考に供する積もりです。
 然し妻だけはたった一人の例外だと承知してください。 
 私は妻には何にも知らせたくないのです。
 妻が己の過去に対してもつ記憶を、なるべく純白に保存して置いて遣りたいのが私の唯一の希望なのですから
 私が死んだ後でも、妻が生きている以上は、あなた限りに打ち明けられた私の秘密として、
 凡てを腹の中にしまって置いてください。」


Kが死に、母が死に、先生(夫)にまで死なれた妻は、どんな気持ちなのだろうか?

この小説の中で、御嬢さんの気持ちの部分があまり描かれていないこともあるからなんだろうけど。

とても知りたいなーと、思った。

できればスピンオフ的に、誰か妻の物語を描いてくれないでしょうか。(笑)

江國香織とか角田光代で、お願いしますw

漱石先生に怒られそうな、^^;読書感想文でした。
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2013.04.27 Sat l 本・アート・音楽・映画 l COM(0) TB(0) l top ▲

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