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角田光代「森に眠る魚」を読み終えた。

なんともリアルで!ちょっと驚いた。

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内容紹介
都内文教地区の町で出会った5人の母親。
育児を通して互いに心を許しあう彼女たちだったが、その関係性は徐々に変容してゆく。
引き金となったのは小学校受験なのか、それとももっと他の何かなのか。
――あの子さえいなければ。私さえいなければ。
5人のせめぎあう感情が胸にひりひりと迫る、著者母子小説の衝撃作!


1999年に実際に起こった「文京区幼女殺人事件(お受験殺人)」がモチーフとなっているこの小説は、

幼稚園で子どもを通して出会った、いわゆる「ママ友」と呼ばれる関係の人たちのお話。


結婚して、知らない土地に移り住む。

友達は、近くにいない。

子どもが生まれる。

子どもを連れて公園へ出かけるようになる。幼稚園へ入園する。

そこで出会うママたち。

挨拶を交わし、話しをするようになる。

この人とだったら気が合うかもしれない…。

自分と気の合いそうな人を見つけて、仲良くなっていく。

生い立ち・学歴・経済力・性格、 全く違う人たちが、

「ママ」ということだけで距離感を近めていく。


これって、

子どもを持った主婦であれば、誰もが普通に経験することではないでしょうか?


そして、その距離を縮めていくうちに、

子育てについての考え方や、生き方の違いなどが見えてきて、こじれてゆく。もつれてゆく。

(気がついたら「壊れている…。」
 ちょっとやり過ぎ!黒すぎ!なのがこの小説なのですが


「壊れる…。」まではいかなくても、

こじれたり、もつれたり、、、というのは、実際にたくさんあるのではないでしょうか?

読みながら、私のまわりでも小説と同じような出来事があったことを思い出して、

そのリアルさにちょっと驚いた。


子育て中の専業主婦って、結構孤独だから…。

「ママ」たちとの出会いは、なくてはならないもの。

一緒に子育てをすることで、どれほど救われることか。

私も、一人だったら絶対に乗り越えられなかったと思う。

でも、

単に、子どもが同じ幼稚園だから、ご近所だから、などという理由だけで結束された関係は、

ある意味ちょっと特殊なんですよね。

そして、「おそろしく狭い世界」でもあるのです。

その中で、こじれたり、もつれたり、、、

そういった負の感情をもたらしてしまうことの根底にあるものは、

「依存」なんだと思う。

誰かに、何かに、依存するあまりに、

「裏切られた」と感じたり、孤立感・疎外感を感じるのだと。

そして、人間の一番醜くて恐ろしい感情である「ねたみ」。

この2つがマックスになった時に、悲劇は起こってしまうんだろうな、と。

なんか、ぞぞっとした。



この本を読んで…

もう一つ感じたことは、「小説の役割」みたいなもの。

ふと思い浮かんだのが、私の好きな作家:中村文則さんが言ってたこと。

「人を殺した人」が、「人を殺す」ということの真実を掴んでいるとは限らなくて。
ある程度の想像力と、細部まで見るための目がないと本質はわからないものだから、
当事者の人間が、常に本当に自分のことをわかっているとは限らない。
変な話、人を殺した人が、ちゃんと人を殺すという現象を把握できるとも限らない。



そして、村上春樹氏のエルサレム賞受賞メッセージの言葉。

こんばんは。
わたしは今日、小説家として、
つまり嘘を紡ぐプロという立場でエルサレムに来ました。

もちろん、小説家だけが嘘をつくわけではありません。
よく知られているように政治家も嘘をつきます。
車のセールスマン、肉屋、大工のように、
外交官や軍幹部らもそれぞれがそれぞれの嘘をつきます。
しかし、小説家の嘘は他の人たちの嘘とは違います。
小説家が嘘を言っても非道徳的と批判されることはありません。
それどころか、その嘘が大きければ大きいほど、
うまい嘘であればいっそう、
一般市民や批評家からの称賛が大きくなります。
なぜ、そうなのでしょうか?

 それに対する私の答えはこうです。

すなわち、上手な嘘をつく、いってみれば、作り話を現実にすることによって、
小説家は真実を暴き、新たな光でそれを照らすことができるのです。
多くの場合、真実の本来の姿を把握し、正確に表現することは事実上不可能です。
だからこそ、私たちは真実を隠れた場所からおびき出し、
架空の場所へと運び、小説の形に置き換えるのです。
しかしながら、これを成功させるには、
私たちの中のどこに真実が存在するのかを明確にしなければなりません。
このことは、よい嘘をでっち上げるのに必要な資質なのです。

全文はここ



まさにこの小説は、

物語を通して真実に近づこうとしているのではないか、と感じたのです。

ぜひ、私のまわりの主婦のみなさんに読んでもらいたい。

感想きかせてほしいです!!



関係ない話ですが。
青山ブックセンター六本木店でこんなのやってるの発見!
中村文則さんの本棚フェア
うわぁ!!いいなぁ~~
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2010.11.12 Fri l 本・アート・音楽・映画 l COM(4) TB(0) l top ▲

コメント

この本、是非とも読んでみたいと思います!!
あの事件ほんとに衝撃でしたものね、おぼえてますよ~。

2010.11.12 Fri l もにか. URL l 編集
もにかさん
ほんと衝撃的な事件でしたよね。
これ読んでから、気になって事件の事を色々とググッてたら、
事件が起こったのって11月22日だったんですね。
この時期が母親にとって精神的にしんどいこと、
今ならちょっとわかるなーって思ったり。
でも、判決って懲役15年だったんですね。えっ!もうちょっとやん!って。
しかも損害賠償の支払いは実行されてないとか。
なんだか納得いかないなー。
この事件を題材にした本が何冊も出てるみたいなんで、もうちょっと読んでみたくなりました^^
2010.11.13 Sat l keropaki. URL l 編集
さっそく書店で購入、ざっと読みました。
うぎゃー、ここまでひどくはないがなんかこんな世界ちょっと垣間見た記憶が……。背中寒くなりました。
私は娘の行動時間がよそのお宅とかなりちがったし、しょちゅう単身赴任先や実家にむすめといってたので、あまりご近所とはかかわらなかったんです。ちょっと遠くの幼稚園にいかせましたが、そこでの出会いはほんとにいい人たちばかりで、ママ友なんて超越、いまでも仲良くしています。
実は海を渡ってからがきつかったです。ごくごく一部のひとでしたけどね。
お受験からまなくても英語とかバイリンガルとか駐在とかそんなテーマに置き換えても同じような状況です。夫と子供が全てになっちゃう人ってほんとにいるんですね。自分自身とは別物だと私は思うのだけど……。閉塞感と焦りの中でうまれてくるねたみという感情は、通常の妬ましいという気持ちよりさらにおどろおどろしいですよね……。葛藤は色々とありましたが、もう会うこともないだろうし一生懸命記憶から消そうとしてるところです(汗)。
ああ、こわかった。でももう一回じっ くりよみこんでみます。
2010.11.17 Wed l もにか. URL l 編集
もにかさん
わっ!はやっ!
さっそく読んで頂けて嬉しいです^^
子どもを抱えて海外生活を始めるだけでも大変なのに!! 
記憶を消したいくらいの出来事って…。
もにかさんの心労お察し致します。
「お受験からまなくても」そうなんですよね~。
テーマはそれぞれで、身体障害・知的障害・重度・軽度 そう置き換えても同じようなものです。
あと、いつも思うのは、「なんでそんなに他人のことが気になるんやろ?」ってことです。
小説ほど酷くはないけれど…
他人の事ばかり知りたがる人には、正直うんざり。
ねたみ……ほんまにおそろしいですね。
2010.11.18 Thu l keropaki. URL l 編集

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