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チリ鉱山落盤事故のニュースを読みながら、

地下に閉じ込められたままの方達のことを想像してみると、

 (最近、「閉所恐怖症」を自覚しつつある私は、想像するだけで発狂しそうですが

なんだか『砂の女』を思い出して読んでみたくなった。

31112948.jpg

真夏に読む砂の女。

それって、真夏にキムチ鍋を食べるがごとく…

 「みるみる朝の気温が、本格的な暑さになり、目玉や脳みそを茹ではじめ、
 
  さらには内臓を焦がし、続けて肺に火をともす。」

といった暴力的な暑さを体験することとなる。

そして、その暴力は暑さだけでなく、理不尽極まりない出来事に巻き込まれてゆくのだ。


砂地に住む珍しい昆虫を探して、砂丘へ一人昆虫採集へ出かけた男教師。

気がつけば、砂で覆われた集落にたどり着き、そこに一夜の宿を求める。

村人に紹介された砂の窪みの中にある一軒家には女が一人住んでおり、

一夜のつもりで彼はそこに宿を取る。

しかし、それは大きな間違いで、

彼は、村人達の手によって砂の中へ閉じ込められてしまったのだ。

女は当然のように、男を「砂掻き」へと駆り出す。

男は、考えつく限りの方法で脱出を試みる。

家を守るために(砂掻きをしつづけないと家が埋もれてしまう)、男を穴の中に引き止めておこうとする女と、

穴の上から男の逃亡を妨害、監視し、二人の生活を眺める(見る)村の人々。

まさにそれは「蟻地獄」。


・・・


はい、こわいですね。こわいですね。こわいですね。


この小説。めっちゃ怖いんですよ。

喉は渇くわ、(なんか口の中がじゃりじゃりする感じがするし)

自分の身体に砂が張り付いてきてるんじゃないか、って感覚になる描写なんですよ。


ただ、この小説は、単に怖いSF?推理?小説ではないのが凄いところ。

自由を求めて、何度失敗しても諦めずに脱出を試みる彼なのだが、

次第にその生活に順応し、生活の中に「生き甲斐」を見つけるようになる。

結果、彼は、あれほど待ち望んだ「縄梯子」がかけられたにも関わらず、自ら脱出しようとはしない。

あれほど必死に拒んだはずだったのに、

その中に溶け込んでしまったら、自ら逃げることをしなくなってしまう…。

洗脳とかシステムって事を考えずにはいられない。


また、別の側面から見れば、

「人間はなにごとにも慣れる存在だ。」というドストエフスキーの定義を思い出す。

「人間は何事にも慣れることができるというがそれはほんとうか、ほんとうならそれはどこまで可能か、
 
 と聞かれたら、私は、ほんとうだ、どこまでも可能だ、と答えるだろう。」

 (と、「夜と霧」のV.E.フランクルは、書いている)



慣れること。って、

生きていく上で必要で大事なことであり、おそろしいことでもある。



私も、ゆうちゃんとの今の生活にすっかり慣れてしまった。

いつでもそこから脱出できる意識だけはもっておかないと、おそろしいことになる。

久しぶりに読んでそんなことを考えさせてくれたのでした。


さて、夏休みもいよいよおしまい。

休みモードに慣れた身体をリセットしなくちゃね
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2010.08.31 Tue l 本・アート・音楽・映画 l COM(2) TB(0) l top ▲

コメント

私もねー、チリの閉じ込められている人のことを考えるのが怖くて仕方がないのよ。でも考えないのも罪悪感があって、自分だったらどうしたら平静でいられるか?とか考えたら、まさにその状況を何か素晴らしいことのようにとらえ、大きな希望を持つしかないのよね。こういう心理が洗脳や、ストックホルム症候群につながることがわかり、ちょっとびっくり!
2010.09.01 Wed l 豆. URL l 編集
豆ちゃん
私も怖くてたまらん…。
でも怖くてたまらないから余計に気になるんよね。
こういう場合ってさ、「祈り」って大事で、
やはりカトリックの国であることが強いのかなぁとか思ったり。
一人がパニックになると連鎖しちゃうだろうから、
チームワークの大切さとか、このリーダーの偉大さとか、なんだか色々考えちゃいます。
「砂の女」は、まさに、人間の危機回避能力が、洗脳とかに繋がる感じ、がすごくよく分かります。
コワイから読んでみてー!
2010.09.01 Wed l keropaki. URL l 編集

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