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私は、とにかく「佐藤雅彦」という人の感性、視点が大好きだ。

前に、「トゥーチカと飴」 というとっても短い小説のことを書いたことがあるけれど、

佐藤雅彦の視点というのは、私の中にある言葉に出来ない何かをいつも取り出してくれる。

なるほどー!と、納得されられたり、驚かされたりすることばかりなのです。


そんな佐藤さんが編んだ短編集。

img20090312_p.jpg


「教科書に載った小説」

タイトルそのまんま、教科書で読んだはず?の小説の短編集。

学生の頃。教科書とは=読まされるものだった。

今、この本の中の小説たちを読みながら、

その義務感が、せっかくの内容を無意味なものにしてしまっていた事を改めて実感する。



この本を作ることになったきっかけを 「あとがき」 で佐藤さんが書かれているのだが、

それは、佐藤さんが少年の頃にまでさかのぼる。

教員をしていたお父さんの書斎で見つけた教科書たち。

そこから、難しいもの、つまらないものは、どんどん飛ばして「面白い読み物」だけを読み漁った。

面白くて面白くて、、このときほど、異様なくらいの高揚感を味わったことはないという。


それから30年の年月が経ち、仕事で出会った出版社が、教科書を作る出版社であった。

そこから佐藤さんの教科書集めがはじまる。

子どもの頃に味わったように、ただただ面白いということを求めて、小説を読み漁る。

その時には、かつて学校の授業中、睡魔と戦いながら文字とにらめっこしていたときのような義務感もなく、

主人公はここでどう感じたかを200字以内で書きなさいといった問題に答える必要もない。

ただただ無責任に自分の楽しみだけで読み漁り、

そして、自分が面白いと思ったものをおせっかいにも他人に読ませたくなったのだという。


佐藤さんがおっしゃるには、

おそらく有名な小説なら放っておいても読む機会は生まれるかもしれないが、

私が教科書の中に見つけた小説はそれではなかった。

面白さ、独自さ、という点では秀でたところにありながら、

ともすると人の目が向かない場所に置かれているものは、どんな世界でもあると思うが、

私が目にした小説もそうであった。


そうしてある時、この小説群が、おなじ立ち位置を保持していることに気づいてきた。

その立ち位置を敢えて言うなら、

「誰かが、人が育つ過程に於いて通過させたかった小説」 とでもなるのだろうか。と。

成長する道程に置いておくので読んでほしい、というかすかな願いが、

これらの集合から感じられたのである。と佐藤雅彦は書いている。


小説たちの面白さもさながら、佐藤さんの「あとがき」にも何だかじんわりくるのである。


教科書では感じられなかった面白さが確実に味わえる一冊です。

「安部公房」が入っているところも私にとっては嬉しい!一冊でした。

ぜひ、読んでみて下さい☆
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2009.11.25 Wed l 本・アート・音楽・映画 l COM(4) TB(0) l top ▲

コメント

No title
教科書に載ってたものといえば…梶井基次郎の「檸檬」。
今もよく読み返す小説です。
「丸善」ときけばイメージがわくんです。
そういえば神戸元町の丸善はとっくになくなっちゃいましたけども。
太宰治の「走れメロス」。
これは私の意見がみんなからつるしあげになっちゃったなあ(苦笑)。

ぱきさんは読書家ですね、わたしのしらない世界をつぎつぎご紹介くださるのがとてもうれしい。
2009.11.26 Thu l もにか. URL l 編集
もにかさん
いえいえ、私の方こそ知らない世界をいつも楽しませて頂いています!ありがとうございます。
私は、梶井基次郎といえば、"櫻の木の下には死体が…"とつい思い浮かんでしまいます。
あと、つるしあげ…で思い出したんですけど、「本読み」が、どうしても大阪弁になる子っていましたよね(笑)いつもクスクス笑われていたのを思い出しましたw
2009.11.28 Sat l keropaki. URL l 編集
読んでみようっと
すみません。ずっと大阪弁で教科書を読んできた教師です。

読解の問題は、本当におもしろくないと、
自分が生徒の時から思っていました。
試験問題を作りながらも、いやいや作っていました。
が、
徒然草の話を、子どもたちが4コマ漫画にしたり、
別役実の「空中ブランコ乗りのキキ」を
クラス全員で紙芝居にしたり、
平田オリザの「対話劇」という論説文で、
知り合いの劇団の人に、弁当代だけで劇をしてもらったり、
なんか教科書をもとに
すっかり楽しんだ私でした。

佐藤さんの感性が素敵ですね。
読んでみよっと。

桜の木の下には死体が。。。
友達の白黒写真の作品で、
このフレーズをタイトルとして
女の子と桜の木を写してたのが、
30年たった今でも、桜の季節になると思い出されます。

この記事、わたしのブログにリンクさせていただきますね。
2009.12.07 Mon l kiyoko. URL l 編集
大阪弁で教科書を読む先生
そっかぁ~。。。
先生が、大阪弁で教科書を読んくれていたなら、クスクス笑われることも無かったんですよね。
kiyokoさんが救ってこられた生徒さんは、きっとkiyokoさんが思う以上にいるのだと思います。
教科書で楽しめる授業、、、そんな授業を受けていたなら私はもっと勉強したのかも?
(いやいや、人のせいにしちゃダメですよねe-351




2009.12.09 Wed l keropaki. URL l 編集

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