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くさくさした気分の時に読むといいよ~。

と、オススメされてはじめて手に取った「奥田英朗」の小説。

インザプール

 「イン・ザ・プール」は、精神科医:伊良部一郎シリーズの第一弾。


このシリーズは、「空中ブランコ」「町長選挙」と、今のところ三部あるのですが、

どれも短編となっていて、一話ごとに、訪れる患者×ドクター伊良部 というお話になっている。

ま、簡単に言えばそれだけなのですが、

この精神科医の伊良部一郎が、只者ではない。

コンコンと診察室をノックすると、

「いらっしゃぁ~い!」と素っ頓狂な声で迎えるのは、カバのように太った色白で脂ギッシュな中年男。

注射フェチで、訪れる患者には有無を言わさず注射。

あわてる患者に、「いいの、いいの、ビタミン剤だから~~ぐふふ」と、

針が皮膚に刺さるのをランランと目を輝かせて興奮する。

思ったままに行動する伊良部の精神年齢は、まるで五歳児。

そんな伊良部は、「伊良部総合病院」の御曹司なのである。


訪れた患者、誰もが最初は引いてしまうのだが、

その型破りな行動と性格に、なぜだか分からないうちに離れられなくなっていく。

例えば、「水泳依存症」の患者さんがやってくると、

「ぼくも一緒に泳ごうかな~」と、一緒になってプールへ通い始める。

依存症の患者は、一日一回が、一日(朝夕)二回へとなり、毎日の泳ぐ距離が増えていく。

そのうちに距離ではなく、時間を続けて泳ぎたくなる。

一時間続けて泳いだら、、二時間続けて泳げたら、、その先にはどんな快感がまっているのだろう?

そんな欲望をおさえられなくなってくる。

だが、プールには必ず「休憩時間」なるものが作られているので、続けて何時間も泳ぐことは不可能。

そんな悩みを聞いた伊良部は、

「夜中に忍び込んじゃえば!」と患者を煽るのである。

煽るだけでなく、伊良部自ら率先して忍び込んでしまうのだから、患者もビックリ。

そんなハチャメチャな行動の伊良部なのだが、実は、物事の本質を突いていたりするから面白い。

深刻に悩んでいる自分が、なんだかアホらしく感じられてくる。

もっと自由に生きていいんだー。と、気がつけば伊良部に癒されているのである。



実は、すっかりこの伊良部にハマって、「空中ブランコ」も読了しちゃったのですが、

読みながら、、、

「なんだかこの伊良部的な感じ、どこかで味わったことがあるぞ?」 と、ふと感じたのである。

そうそう!!あの時だ。仲野先生だ!! と、思い出したのは、

何度か講義を聴かせていただいていた「精神科医:ナカノ花クリニックの仲野実先生」だ。

アソシアシオン と プロダクシオン 
クオリア 
GNH

(以前に、↑こんなお話を聴かせていただいているので、良かったら読んでみてください。)



実は、昨年、仲野先生にお会いした時に個人的に相談をさせていただいたことがあったのです。

その内容というのは、私の友人のお子さんのことで、

中学生のそのお子さんは、作り話をする…いわゆる妄想癖のあるお子さんでした。

「学校からまるちゃんと一緒に帰ってきたよ」 とか 「まるちゃんと一緒にクラブを作ったよ!」 とか、

ある時は、「まるちゃんとペアを組んでやった課題が自分のせいで上手くいかなくて、

       まるちゃんにひどいコトを言われて悲しかった」 と泣くこともあったそう。

毎日話を聞くお母さんは、時々「あれ?」と思うことがあったらしいのですが、

あまりにリアルに話す子どもの話を信用しないわけにもいかず、、、

「まるちゃん」という仲良しの友人がいるのだと思っていたそうなのです。

でも、ある時、先生からの連絡帳に書いてある出来事と本人の話との食い違いから、

全て「作り話」であったことが発覚。

「まるちゃん」は、想像上の友達であることがわかったのです。



「まるちゃん」の話をお母さんから聞き、私も驚き、どうすればいいのだろう?と思っていた時に、

ちょうど仲野先生とお会いする機会があり、相談させて頂いたのです。


「ふんふん」 と、私の話を熱心に聞いて下さり、聞き終えた先生から出た言葉は…。


「 じゃあ、教室にまるちゃんの席を作ってあげたら?


へっ??」   ← とわたし。(多分、あんぐり口があいたままやったかと


すると仲野先生。

「うん、まるちゃんの机と椅子を用意してあげたらいいやん」

「まるちゃん、おはよ~!」 ってみんなで挨拶するんよ。

「妄想って誰もがするでしょ? みんなで妄想、素晴らしいやん、すごく楽しいと思うよ~」


いや、もうビックリとゆうか、あんぐりとゆうか…何を言ってよいのやら真っ白になったのですが。

やっとのことで、

「せ、せ、先生、、えーっと…まるちゃんの席を作るんですか?」

「それは、、担任の先生にまるちゃんの席を作ってください、ってお願いするってことですか?」


仲野先生

「そうそう、担任にそう言ってみたら?」


わたし

「せんせいー!そんなの無理ですよ!担任の先生がそんなこと承知してくれるとは思えないんですけど…」


仲野先生

「はははは、、、そりゃ無理か~。教師は頭が固いからね~」

「もっと柔らかくなってもらわんとね~~、ははははは~!」


そういって、先生は去っていかれたのでした…。


いかがでしょう?

伊良部一郎に匹敵する仲野先生。

本も書かれておられます→ 「近代を抜ける」 興味ある方はご覧ください。



あ、その後、そのお子さんはどうなったかって?

それは、現実に仲良しのお友達ができ、いつの間にか「まるちゃん」の話はしなくなったそうです。
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2009.10.24 Sat l 本・アート・音楽・映画 l COM(4) TB(0) l top ▲

コメント

No title
伊良部シリーズ、気になってたので是非私も手に取ってみます。
ところで、お友達のおこさんの「まるちゃん」は「イマジナリーフレンド」でしょうか?読んでてなんだかたのしくなっちゃったのは不謹慎?うちの娘も小学校1年生くらいまではそういうお友達とかペットがいて、いつも夢見るゆめこちゃんみたいなことがありました。お友達の場合はもっと深刻?だったのでしょうね、お察しします。
学校に「机と椅子」が実現するならほんとにいいでしょうにね、わたしならそんな先生大歓迎だなあ~。ん~でも仮に先生がOKだしてくれても他の親からなんか言われそうですね…。
2009.10.26 Mon l もにか. URL l 編集
もにかさん
「イマジナリーフレンド」っていうんですね。
架空の…という表現はちょっと違いましたね。(訂正しておきます)
そう、このお子さんには小さい頃から想像上のお友達がいたんですよ。
小さい頃は、将来きっと小説家やでッ!心配することないないっ!って言ってたんですけどね。
ちょっと問題が深刻化しちゃったんです。(詳しく書けませんが)
でも、仲野先生に↑こんな風に言ってもらって、
一番ダメなことは、周りが深刻化してしまうことだと思いました。
まるちゃんの席がある教室っていうのが、本当の「ゆとり教育」なんじゃないかと思います。

伊良部シリーズぜひ!e-454

2009.10.27 Tue l keropaki. URL l 編集
私の好きなのは
どの巻か忘れましたが、同期の池ちゃんとかいう医師が不謹慎なことをしたくてたまらなくなる話。教授のヅラをとるんじゃなかったかな? あれに、とっても共感できました。
他、「町長選挙」は一時期住んでいたところに似ていて、大笑いでした。
伊良部付きの看護師も、いい味出してるよね。
2009.10.28 Wed l 豆. URL l 編集
豆ちゃん
私もヅラに共感!
きっと伊良部がヅラを剥がすんやろうなぁ…となんとなく読めたけど(笑)
そういえば、豆ちゃんオススメ重松清の「かかしの夏休み」にもヅラの話があったね。^^
「町長選挙」はまだ読んでないので楽しみです!
2009.10.28 Wed l keropaki. URL l 編集

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