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映画『精神』公式サイト

想田和弘監督の 映画 『精神』 を観てきました。

2時間以上、音楽なしナレーションなしのドキュメンタリー。

岡山にある精神科の外来診療所「こらーる岡山」にカメラを入れ、モザイクなしで撮影した観察映画。

そこには、診察をうけるさまざまな患者さん達のありのままの姿がありました。


「友達がいなくなってしまったんです…」と泣き崩れる女性。

子どもを虐待死させてしまったという女性。

一日18時間の勉強を続けていて、ある日ぷっつりと切れてしまった男性。



ある大学生らしき男の人が先生にたずねる。

「バンドサークルに入ろうと思っている。

でも、健常者から避けられるんじゃないかと心配なんです」


先生はこたえる。

「君が音楽をどれだけ好きなのか、

仲間に入れるかどうかを決めるのは、その思いのあるなしじゃないのか」


そして、さらに彼はたずねる。

「手帳をもらった方が良いのでしょうか?」

先生はこたえる。

「手帳を持つということに抵抗がないなら持てばよいし、抵抗があるなら止めておけばよい」


このやり取りを見ていて、ゆうちゃんの療育手帳を申請するまでのことを思い出した。

3歳半検診で、「手帳の申請をしてはどうか?」と保健師さんに勧められた時は、丁重にお断りをした。

その頃の私は、「手帳」というものに対して、とても偏見を持っていたのです。

例えば将来、ゆうちゃんが何かをやりたい、何かになりたい、と思ったとき。

手帳を持っていることで、実現できないことがありうるのではないか。

たった3歳や4歳で、ゆうちゃんの将来を私達が狭めてしまうことなんて出来ない。

そんなことを思っていたのです。


でも、それがいつからだろう…。

「手帳」の有無なんて関係ないじゃない。と思うようになったのは。


手帳があろうがなかろうがゆうちゃんはゆうちゃんだし、

ゆうちゃん自身、手帳が弊害になるようなそんな生き方はきっとしないだろう。

いや、その反対で、今の世でゆうちゃんが生きていくためには、

「手帳」を持たなければ、困ってしまうことがあることに気づかされていったのです。

何より「手帳」というものに、私自身がとても偏見をもっていたことに気がついたのです。



そうして、先生が彼に話していたように、「持つことに抵抗がなくなった」時、手帳を申請しました。



それからずっと、「フツウってなんだろう?」と考え続けています。

何がフツウで何がフツウじゃないのか?

ゆうちゃんは、フツウじゃない?

いやいや、我が家では、ゆうちゃんはフツウです。

それなら、一体フツウとフツウでないことの違いは何なのか?



この映画は、それと同じ事を考えさせられました。

精神科に通う人たちと、健常者の違いは一体何なのか?

その間に、カーテンはあるのか?

私には、全くわかりません。


そして、極めつけ、この映画のラストに登場する男性に、ガツンと一撃されました。

(以下、ネタバレになります)


ラストの男性のシーンは、いきなり部屋の中をスニーカーで歩き回る映像が突然映し出される。

乱暴な言葉で、延々と電話をかけ続ける男性は、

スタッフの言葉に全く耳をかさず、ひたすらクレーム電話をかけている。

根気よく(本当に根気よく)電話が終わるのを待ち続けるスタッフ。

一体この男の人は何なんだろう?

なぜ、土足で部屋を歩き回る?

映像を見ながら、私は、とてもイライラしていました。

やっとのことで電話を終え、部屋の外へ出ようとした姿を見た時に、私は固まってしまいました。

驚いたことに、彼は、履いていたスニーカーを脱いで部屋の外へ出たのです。

外には、靴が。

そこにあったものは、装具が付いた運動靴。

そう、彼は足が悪く、靴を履いていなければ歩けなかったのです。

土足ではなかった、のです。


なんだか…思いっきりガツンと重いものを落とされた感じがしました。

「偏見を持たないように物事をみなくては」

そう心がけていたつもりの私でしたが、見事打ち破られた気がしました。

「大切なものは目には見えない」

この言葉を、改めて心の中に刻んでおこうと思いました。



映画は、大阪ではアンコール上映が決定し、9月5日~11日まで、

十三にある「第七藝術劇場」という渋~い映画館で上映されます。

興味もたれた方はぜひ!

詳しくは上のバナーをクリックしてください。
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2009.08.24 Mon l 本・アート・音楽・映画 l COM(2) TB(0) l top ▲

コメント

No title
はじめまして。45歳、フリーのGデザイナーです。
僕も昨日、「第七藝術劇場」へ観に行ってきました(自宅から歩いて5分)。
ラストシーンについて、まったく同じ感想を持った方がいるので、ついコメントしてしまいました。
ラストシーン後、最初のクレジットでおもわず「え?!」と声を上げてしまいました。映画の中では乗り越えられたかのように見えた人たちも、やはり大きな闇を抱えたままであったことがショックだったからです。

「大切なものは目には見えない」とのkeropakiの言葉を、僕も忘れないようにしたいと思います。

2009.09.23 Wed l たろへ@たにし. URL l 編集
たろへ@たにしさま
はじめまして。
最後、まったく同じ感想を持たれた方がいらっしゃったなんて!感激です!!
コメントくださりありがとうございます。

私もクレジットが始まり「え?!」ってのけぞりました。
そして、すごくショックを受けている自分にも驚きました。
この映画って、「映画を観た」とゆうより、
お一人お一人から直接話をきいたような感覚になりませんでした?
そのあたりも、この監督の凄いところなんだろうな~と。
観終わって、ものすごく疲れたけれど…「観てよかった」って思いました。

keropakiの言葉にも共感くださりありがとうございます。
とてもとても嬉しいです。

第七藝術劇場徒歩5分ってe-330
これまたすごいところにお住まいですね(笑)
2009.09.23 Wed l keropaki. URL l 編集

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