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最近、文庫化された 荻原浩/さよならバースディ 読了。

ばー



バースディは、霊長類研究センターで生まれた三歳のオスのボノボ(ピグミーチンパンジー)。

「バースディ・プロジェクト」

それは、霊長類研究センターで研究されている類人猿に言語を習得させるプロジェクト。

バースディは、ヒトの二、三歳程度の聞き取り能力がある。

人間と会話ができるサルなのです。

とは言っても、コトバを発せられる訳ではないので、会話は「キーボード」を使って。


「パースディ・プロジェクト」を任されているのは、田中真:実直な若き研究員。

一年前に自殺した安達助教授の後を継いで、バースディに一心に愛情を注ぐ。

研究スタッフの一員である藤本由紀は、理学部の大学院生でニューロンを研究する共同利用研究員。

そして、真の恋人。

真がプロポーズをしたその日の夜。由紀は研究室から転落死するのです。


一体なぜ? 自殺なのか? 他殺なのか?


目撃者は、その夜、由紀と研究室にいた「バースディ」だけ。

真は、何とかしてその夜のことをバースディから聞き出そうとするのですが…。

と、いった感じで物語は進んでいきます。

彼女の死は一体何だったのか?

もちろんその謎解きがこの小説の鍵となっているのですが…。


私の視点は、こんなところにいきました

このプロジェクトに資金を提供しているのはSESという財団法人。

SESの会長には知的障害の子どもがいて、

表向きは、知的障害児の言語教育システムを開発するためのプロジェクトであり、

この研究を言語遅延や自閉症の子どもたちの教育に成果を上げようとしている…となっているのです。


「バースディに言語を習得させるプロセスは人間の子どもに言葉を教えるのとよく似たシンプルな作業で、

必要なのは大掛かりな実験装置よりも根気と体力。」


そんなくだりを読んでいると…

ゆうちゃんが2~3才の頃のことを思い出したのです。

周りにいる子どもたちは、ほっておいてもどんどん言葉を話し出すのに、

ゆうちゃんだけは、ほとんど言葉が出てきません。

言葉って教えなきゃいけないものなんだろうか?訓練しなくちゃいけないものなんだろうか?

そんな疑問を持ちながら、何度も何度も身近な単語を繰り返し教えていったことを。



恋人の死を探っていくうちに、

大学という組織の裏側が明らかになり、バースディ・プロジェクトのからくりが見えてきます。

生まれた時から真や由紀たちスタッフに育てられたバースディ。

いくら愛情を注いでも、それは所詮動物実験で、人間のエゴであることに真は気づいていきます。

バースディに言葉を習得させようとしていた真は、恋人の…彼女の本当の気持ちを知ることができなかった。

たくさんの言葉を持っていても、理解し合えることって実はとても難しいことなんですよね。


私が思うには、基本的にコトバって…

部屋の中で、カードやデジタルで訓練して覚えられるものではないと思うのです。

生身の人間や動物や植物たちと触れ合い、ヤヤコシイやり取りをいっぱいやって、

体で感じて、脳が感じて…

そうして体得したものこそが本物なんじゃないのかな、と。


「さよならバースディ」

最後のバースディと真のやり取りがとてもせつないです。

ばー(バースディ)がたまらなく可愛いおススメの一冊です☆
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2008.08.01 Fri l 本・アート・音楽・映画 l COM(2) TB(0) l top ▲

コメント

はじめまして☆
ネット検索中に偶然たどりついたのですが、
あまりに楽しく温かいブログだったので突然で恐縮ですが
コメントを残させていただきます。(*^^*)

ゆうちゃんの日々の様子を綴られている言葉の節々に温か
さや前向きさがきらきら輝いている感じがして、読ませていた
だいたこちら側もとっても元気で前向きな気分になれました♪ 

今日こちらのブログへ偶然たどり着いて本当に良かったです☆
わたしもお母さんになったときは、「大変」も「驚き」もいろーんな
面をひっくるめて子育てを楽しめるそんな素敵なお母さんに
なりたいです☆

P.S. 以前の記事になりますが、ゆうちゃんの絶妙な
タイミングでの「ドナドナ」の歌…の部分には思わず噴出して
しまいました(^^) ゆうちゃん、うまい演出だなあ!
2008.08.02 Sat l Tomo:). URL l 編集
Tomoさんへ。

はじめまして。
記事をさかのぼってまで読んで下さりありがとうございます。
そして、コメントありがとうございます。
こんな素敵なコメントを頂いて…私の方こそパワーを頂きました!
これからもがんばって続けていこう!って…そんな気持ちにさせて頂きましたっ
本当にありがとうございます。

ゆうちゃんの絶妙なタイミングをわかってくださるTomoさんなら…
きっと、将来。楽しい子育てが待っていると思います。
その日が来るのを楽しみに…「いま」をいっぱい楽しんでね。
2008.08.03 Sun l keropaki. URL l 編集

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