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映画 『学校Ⅲ』 の原作 『トミーの夕陽』 の原作者:鶴島緋沙子さんにお会いしました。




トミー


学校Ⅲ



「トミーの夕陽」という小説は、自閉症の青年の語り口で書かれた小説。

鶴島さんご自身の体験を基に書かれた小説です。


息子さんは、現在46歳。2歳半の時に「自閉症」だと診断されました。

日本では、ちょうどアメリカの小児精神科医学会から「自閉症児」の症例や実態が報告され始めた頃。

当時の治療法は、「プレイセラピー」と称して一週間に一度、1時間ケースワーカーと遊び、後は時に応じて安定剤の投与がある…というもの。

母親である鶴島さんは、そんな治療に拠って「自閉症」が好転するとは思われず、

今のままでの状態で大人になっていく彼と共に,どうして生きていくかを考えずにいられない毎日でした。

そんな時、担当医師に、

「彼にとって一番苦手な言葉や他人との付き合い方を会得していく為には、

なるべく早く(普通)の子ども達の中に入り、集団生活をさせる事だ」 と、アドバイスされ、

「そうなのだ、人間の育ちに違いがある筈はない。様々な子どもがいる中でこそお互いに成長しあっていけるのだ。」

そんなごく当たり前のこの思いを、この時、改めて自分の中で確認されたそうです。

そして、幼稚園~小・中・高校へと地域の学校へと進んで行き、

今現在、息子さんは、非常勤嘱託として市役所に週3日通っておられます。


当時は、障害のある子どもは、まだ排除されていた時代。

幼稚園も何園も回って、やっと、ある一人の先生の個人的な好意で「私がやってみましょう」と言って下さり通える事になったそう。

ごく普通にみんなと一緒に過ごしたいという鶴島さんの考え方を実行する事が、周囲とどれだけ軋轢を生じることだったか…。

しかし、それは、小・中・高校へと、みんなと一緒に過ごすコトで、まわりの人達を少しずつ変えていくことになるのでした。


一つ、小説の中に出てくる小学生時代のエピソードを挙げてみると、

学校の保健室のベッドでピョンピョン跳ねる事が大好きだった息子さんは、

学校へ行くと、保健室しか行かない。

当時担任だった先生は、息子さんが教室に来れるようにするにはどうすれば良いか?

そう考え、そんなにベッドが好きなら、ベッドを教室へ入れてベッドの上で授業を受ければいい!

と、保健室のベッドを教室に入れてそこで授業を受けれるようにしてくれたそう。


どのように工夫をすれば、みんなと一緒に出来る事が増えるだろう?


息子さんと関わる事で、周りの人達は、そんな事を考えざる得ない状況においやられる。

その結果、とてもユニークな発想が生まれてくる。

それが、とても大切な事ではないか?と鶴島さんはおっしゃいます。

鶴島さんご自身がこれまでの体験を通して、今、感じられていることは、


今、世の中で、良い人・優れた人間というのは、社会的に弱い立場の人を大事にして、

分けるのではなく共に歩んで、

そうして、そのコトが社会のトップをいく(と言われる)人達の暮らしの幸せにも繋がる…

そのようなことを、考え、実行出来る人間が、最も優れた人ではないか。


とおっしゃられていました。


子どもの頃から、「障害があってもなくても一緒に学ぶ」という事は、

弱い立場の人と、どうすれば共に歩んでいけるか?という事を、自然と考えるようになっていけると思う。

と鶴島さんはご自身の経験から話して下さいました。




実は、鶴島さんとお会いするのは今回二度目。

4年程前にもお話を聞かせていただいたことがありました。

前回お話を聞かせていただいた時には、私自身、鶴島さんと同じくみんなの中で一緒に育つことの大切さをとても感じていました。

鶴島さんの言葉に勇気をもらい、何があろうとも地域の学校でがんばっていこう!と強く思ったのでした。


しかし、四年前とはガラリと状況が変わってしまった今。

鶴島さんにお聞きしてみたかったことは…


みんなと一緒に過ごす事で、

確かに周りの人達にはたくさんの影響を与えます。



でも、息子さん自身が,

辛かったり苦しかったりした事はなかったのだろうか?
という事でした。



鶴島さんに問うてみると、そんな事は一度も無かった。

例えば、友人に殴られたことがあっても、
(これはまた別のエピソードがあるのですが…興味ある方は小説を読んでみて下さい)

学校へ行きたくないと意思表示した事は一度もなかったそう。


ゆうちゃんが学校へ行かなくなった経緯を話し、「ご飯を食べない」という身体を張って、

学校へいかない!という自己主張をした事を話すと…

鶴島さんから返ってきた言葉は、なんと!

「うらやましい…」  という言葉だったのです。

息子さんには、そこまでの意志は持てなかったと思う。とおっしゃるのです。

学校へ行く事が日常生活であって、「行かない」などという事まで考える力は無かったと思う…とおっしゃるのです。

だから、ゆうちゃんのように、それ程強い意志が持てるなんて…

「なんと頼もしい!」

何の意志も持たずに、だたただ言われるがまま毎日ランドセルを背負って学校へ行くよりもずっと凄いことだと思う。

学校に対して、きちんと自分の意志を伝えてる!って事じゃない!

「それは、とても頼もしく、羨ましいとさえ思う…」とおっしゃられたのです。


もう、まさに目からウロコ。その言葉を聞いた瞬間、

私の中で、霧のようにモヤモヤしていた何かがスーッと晴れていくような…

そんな感覚を味わいました。


そっか、鶴島さんはそんな風に感じて下さるんだ。

こんなに頼もしい息子を持って、私は自信を持っていいんだよね?って、とても救われた気持ちになったのです。

人間って不思議なモノで…本当にたった一言が心を強くしてくれる瞬間があるんだなって、

そんな事を感じた瞬間でした。



鶴島さんとお会いできたことに心から感謝いたします。
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2008.01.17 Thu l 本・アート・音楽・映画 l COM(6) TB(0) l top ▲

コメント

自信を持って、そしてゆうちゃんを自慢に思っていいんだよ!
2008.01.18 Fri l はるっぺママ. URL l 編集
はるっぺママへ。

いつもありがとう!!!!!!
2008.01.18 Fri l keropaki. URL l 編集
お久しぶりです(^'^)
私もゆうくんの事自慢に思っていいと思います!
人の存在というのは、支え支えられるものであるものだと言いますが
ゆうくんにも支えられている事を忘れないでくださいね☆
2008.01.20 Sun l まぁあ☆. URL l 編集
まぁあ☆さんへ。

本当におっしゃる通り。
ゆうちゃんに支えられてるって事。忘れちゃダメですよね。
まぁあさんの言葉。しっかりと刻んでおきます。
ありがとうございます!
2008.01.21 Mon l keropaki. URL l 編集
ふと思ったんだけど、
ゆうちゃんの学校、ゆうちゃんの思ってる学校じゃなかったんじゃないかしらん?
どんな学校が、ゆうちゃんの思ってる学校かはわからないんだけれど、何かが違うんじゃないかと。。。。。
ほんとうにゆうちゃんの気持ちに寄り添っていたのかなぁ?
ゆうちゃんの気持ち、わかろうとしていたのかなぁ?
人って簡単にはわかるものじゃないんだけど。
押しつけることが多かったりしていないのかなぁ?

この言葉は、そっくり自分に返ってくることばなんだけど。
ちゃんと子どもの気持ちを考えてできているかというと
できていない。
学校にこれていない子どももいる。


鶴島さんの答え、すごいね。
なるほどね。と感心することしきりの私です。
2008.01.21 Mon l kiyoko. URL l 編集
kiyokoさんへ。

私もずーっと考えていました。
ゆうちゃんの気持ち、わかってなかったんだな、って。
今、ゆうちゃんと一緒に過ごしていると、いろんな事が見えてきて、
学校生活が、ゆうちゃんにとってどれ程しんどい事だったのかが、
解かるようになってきました。
ただ、社会の中で生きていくには、ゆうちゃんの思うがままに生きていく事は難しく…
どう折り合いをつけていくか?が難しいです。
でも、堀先生が書いて下ったように…
まぁあ☆さんが書いて下さってるように…
お互いの人生を支えあっていける関係でありたいと思います。

鶴島さん。
本当に凄い方です。
そして、とっても魅力的です。
お会いできて本当に嬉しかったです!
2008.01.22 Tue l keropaki. URL l 編集

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